この片恋を。

囲まれる私

バレーボールの試合、初めて生で見た。

お弁当をどうやって渡そうかと思いながら、眺めていた試合。いつの間にか手に汗握る。

彼がベンチで激を飛ばす。
私の知ってる礼人とは全くの、別人。

きっと、こっちが本物？
私には仮面の姿しか見せてくれなかったのかぁ。

何だか、やっぱり悔しいな。
私と一緒にいた三年間なんて、彼にとっては全くの無駄なことでしかなかったのかも。

そう思えるほどに、今見ている彼は、熱かった。

試合終了のホイッスルで、ようやく一つ深い息を吐いた。
それほどまで接戦の良い勝負。

礼人、あと一試合だね。
全国行けると、良いね。

悔しいから、決勝は見ないで帰る。