一人ぼっちの朝

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バタン 遠くでドアの閉まる音が聞こえて、その瞬間ようやく深い底から水面に上がった時のように大きく息を吸って目覚めた。 急に戻された現実に、ああ、夢でよかったと思った瞬間には、その悪い夢がどんなだったかも忘れていた。 いつの間にか、毛布が掛けられている。 礼人だ。 剥ぐって体を起こしたが、彼の姿が見当たらない。 嫌な予感しかなく、ベッドルームやトイレも見て回る。 それほど大きな部屋ではない。 かくれんぼするようなキャラでもない。 ……まさか。 本当に、私に呆れて出ていってしまったの? 涙が一気に決壊して溢れる。
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