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そんな中、活躍を見せたのは、
「わぁ、柚葉。また1ペアだ!」
「すごーい柚葉!」
「柚葉」と呼ばれる緑の髪と目を持つ子供だった。
琥珀の右隣に陣取ったその子は、耳の下くらいまで髪が伸びていて、目はクリクリ、首元はほっそりしている。...けど多分、男の子なんだろうな。
カードを捲る指も肉付きが薄くて、この孤児院に来る前は厳しい環境にあったのだろうことが窺われる。
――...なんかこの子、何処かで見たような...
既視感に首を傾げる合間にも、柚葉の前に積まれたクッキー入り小袋の山が大きくなっていく。
またコットンキャンディのペアを当てて、周りから感心の声があがった。
「柚葉、記憶するの得意だったんだねぇ。」
微笑む琥珀に、柚葉はモジモジと下を向く。照れているのかな、声も聞こえてこないし、シャイな子らしい。
ちなみに琥珀、僕も記憶は得意だよ。特に図柄関係は。1度見た魔方陣なら再現できる自信があるしね。
...まぁ今回、僕はお菓子を贈呈する係なので傍観するしかないんだけれど。
「あ~っまた間違った!」
「パンケーキのプリン載せ?」
「美味しそう!」
...このゲーム、終わるまでまだまだかかりそうだ。
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