浅葱・3

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一頻(ひとしき)り所感を述べ合うと、話題は他へ移った。 何の魔方陣なのか分からない以上、深堀りしたところで無意味だ。 そうしたモグラの割り切りの良さは、実のところ気持ちが良い。 お題は、防塵魔方陣と撥水魔方陣をいかに効率的に複合させるか。 魔方陣は、線1つ欠けただけで効力がなくなり、場合によっては暴発を引き起こす。 そうしたリスクを回避しながら、線を組み合わせ、省き、モグラが言うところの最適解を作りあげる。それが僕たち彫り師だ。 つまり魔方陣の組み合わせの数だけ最適解が存在するということで、僕は彫り師を志して以来、1人の時間をその思索に充(あ)ててきた。 琥珀に出会うまでは。 「...これをこうしたらどうかな?」 「それは美しくない。」 「いや美醜の話じゃなくて...ああでも、これじゃ条件と命令の伝達が上手くないか。」 ああでもないこうでもないと、手元に広げたメモ帳に線を引く。
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