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「何の為に生きてるんだろう。社会に貢献しているような仕事をしているわけじゃない、何かを生み出しているわけじゃない。私という存在は意味があるのかな」
彼女が送っている生活は自分と重なる。俺は自分自身に問いかける。俺という存在は意味があるものなのか。多分、ないかも。
そんなこと考えたことなかった。だって、俺は今がすごく楽しい。仕事も難なくこなせるようになったし、可愛い彼女もいる。それだけで満足だ。
「いい未来が見えない」
唐突に、彼女はそう呟いた。
「私ね、おばちゃんになりたくないの。しわしわのおばあちゃんになんてもっとなりたくない。だからやっぱり早死にしたい」
穏やかな笑みを浮かべる彼女。なんだ、その「もう人生全うした」とでも言いたげな表情は。
「もし私との結婚を考えようとしてくれていたのなら、ごめんなさい。応えられない。こんな変なこと言う私、嫌になったでしょ」
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