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彼女は身体を起こし、布団から出ようとした。彼女の枕となっていた腕は棒のようにすっかり固まっていたが、どこかに行ってしまいそうな彼女をしっかりと掴み、引き戻す。そしてどこにも行かないように、抱きしめる。
「ねぇ、結婚しようか」
予定外のプロポーズを持ち掛ける。
「俺と一緒にさ、生きようよ。楽しいと思うな。子どもも欲しくない? 俺はおばあちゃんになった姿も見てみたいな」
俺の腕の中で、彼女はクスリと笑った。
「じゃあ、結婚して、かわいい赤ちゃん産んで、立派に育ったら、死のうかな」
end.
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