お別れの時間

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「なんで…」 「もういいかなって。」 よくない。 「俺のこと、嫌いになった?」 「…うん。」 嫌いになんかならない。 「そっか。」 「うん。」 好きよ。 「そっか…。」 「うん…。」 大好き。 言いたくない言葉並べて、私も彼も、柄にもなく沈んだ声。 そんな顔させたくなんてない。 そんな顔見たくない。 そんな顔させてるのは、私。 私が彼を今、傷つけてる。 「わかった。」 「…うん。私がここ出るから…。」 「部屋は?」 「大丈夫。」 「よかった。」 こんなときも、私を心配してくれる。 いつもよりも暗い笑顔でこちらを向いてくれる。 『ごめんなさい。』 その声となるべきものは、音として世界に放たれることは無かった。
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