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別れた理由は、すごく簡単な話。
ユイトがいないときに、ユイトの会社の女の子が来たから。
それだけ聞くと、なんだかユイトが浮気してたみたいに聞こえるけど全然違う。
その子は、ユイトのことが好きだった。
それだけ。すごく単純で、ありきたり。
でも、普通よりも少しだけ狂気的だっただけ。
その期間は一ヶ月ちょっと。
私は別に気にしなかった。
気になんてならなかった。
ユイトのことが好きなのは変わらなかったから。
ワガママだけど、私が一番好きなのはユイトだったから。
嫌がらせは、日を増すごとに大きくなっていった。
最初の一週間は、悪口の書いた手紙。
二週間目は、悪口と痛いものが入った封筒。
ここまではどれも、子どもみたいな昔の嫌がらせ。
全然平気だった。
これでも私は、イジメとかには少し耐性がある。
慣れたものだ。
三週間目にはいると、エスカレートしだした。
私にだけ被害が出るならいい。
さすがにちょっと嫌だった。
それだけのために使われた物たちが。
それを見た人が。
彼女は、もしユイトがこれを見たとき、どう思うかということを考えなかったのだろうか。
ユイトの気持ちを大切にできなかったのだろうか。
周りの人の気持ちを理解できなかったのだろうか。
恋愛感情は怖い。
初めてそう思った。
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