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「もー!最低!嫌い!大っ嫌い!!」
下を向いて立ち止まっていたら、どこからか聞こえてきた女の子の声。
「ご、ごめん…」
「三時間も遅刻なんて最低です!」
「はい…」
「はい。じゃない!」
「で、でもそれは…」
「聞きたくない。今日は帰る。」
そう言って帰ってしまった女の子。
あー、修羅場だ…
人ごみで、よく見えなかったけど彼氏の方って、
私の会社の後輩…?
向こうもこちらに気づいたみたい。
恥ずかしそうにしてる。
「何してるの?追いかけなくていいの?」
「アイさん…。恥ずかしいところ見られちゃいましたね。」
ははは、と乾いた笑い声。
「彼女さん?」
「はい。でも僕、寝坊しちゃって…。怒らせちゃいました。」
「彼女さん、三時間も待ったんでしょ?」
「はい。。聞こえてたんですね…。」
伏せ目がちに答える。
「あれだけ大声ならね。聞こえちゃった。ごめんね?」
「い、いえ!全然…。」
「で、追いかけないの?」
「追いかけても…。」
そこは追いかけようよー。
女目線だけどさ。
「なんで彼女さん、怒ったと思う?」
「え?」
「どうしてだと思う?」
私が、彼女さんなら、
もし、ユイトが遅れてきて怒るとしたら、、
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