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ぶわっと、彼の背中を押すような風が吹いた。
「あっ!」
小さな女の子の声が遠くで聞こえる。
「うわぁ…」
思わず私も。
だって
着ぐるみが持っていたはずの風船が、舞い上がってたから。
空いっぱいに、色とりどりの風船が。
赤
青
緑
ピンク
他にもいっぱい。
「ねぇ、ユイトすごいね。って私またか…」
何回すれば気が済むんだろ…。
あなたが隣にいるように感じてしまう、この温かい日差しのせいかな。
立ち並ぶお店一つ一つにある、二人の思い出のせいかな。
まだ
私があなたの隣にいたかったという
ワガママのせい、かな…。
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