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同じだ。
違うのは、自分がその人を好きだということだけ。
あんな素敵な大人の人が、まだ何も知らない子供を本気で相手にするわけはないことくらい、少し考えればわかること。
体の奥で灯った焔がチリチリと体を炙る。
会いたいと燃え、諦めろと揺らめき、心の中で燻くすぶり始めている。
この火を消して欲しい。
この胸に巣食った焔は今はもう、身を焦がしながらただれていく業火ででしかなく、塞ぎきれない傷口が何かを壊していきそうで怖くてたまらない。
冷たくて、寒くて、たまらない。
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