幼なじみ 5

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俺の存在は 栄太の将来を壊すものにならない そうマスター・ヨーダに 認めて貰うため 夏休み期間中 栄太に教わりながら 猛勉強をした甲斐もあり 成績は 右肩上がりで上昇している だけど 夏休み中 栄太を独占していた俺に 思うところがあるのか すれ違いざま 「よお、栄太のおんぶちゃん。あまり栄太の足枷になってやるなよ」 潜めた声がかかる チッ 巨体にノミの心臓かよ 栄太や岡本がいれば にこにこと 愛想を振り撒くクセに まさかアイツ いや、でも 考え過ぎだ 醜い嫉妬は止めろ 栄太の仲間への腹立たしさを グッと飲み込むことも 多くなった 11月 母ちゃんと一緒に 出かけた最後の三者面談で 「良いだろう。挑戦してみろ、白石高校」 「ありがとうございます!」 白石高校の受験資格を得た 「ただし、五分五分の確率だぞ」 付け足す先生に頷く 「医者になりたいってんだから、白石高校くらい行かないとね」 「白石高校くらいって、また、無茶言うなあ」 「何言ってんの。下から数えた方が早くてもタアくんと並び立ちたいなら、名の知れた大学に進学するのは当然のこと。生半可な努力じゃ追いつかないよ」 母ちゃんが俺の背中を ドン! 怪力で叩いて 「頑張んな」 親指をグッと立てた
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