幼なじみ 5

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グラウンドには サッカー部の後輩たちが 集合していた 二年主将の宮本の号令で 「卒業おめでとうございます」 揃った挨拶に 「おう」 ふんぞり返って肯く俺たち 「試合しようぜ、試合」 卒業証書を 投げた奏太が上着を脱ぎ捨て ボールを寄こせ 手振りで宮本に促してる 俺も! 荷物を投げて走れば 「義人」 コウジからのパスを受けた 軽くボールを足裏で回してから ダッシュ ボールの方が 俺より先を行く下手くそな ドリブルになってしまった すげぇ、格好悪い それでもボールを追いかけ 手を振る タカヒロにパス ボールを迎えにいく格好で パスを受けたタカヒロは 二年を交わし パス コウジから俺、俺から 奏太へパスすれば 鋭く重いボールがゴールネットを 揺らす 「コラ義人! へばるのはやすぎだぞ」 タカヒロが笑う 「うっせーよバーカ」 笑い返して 数メートル走っただけで 噴き出た額の汗を手の甲で拭う 肩で息をして もつれる足で走る運動不足の俺は パスを受けれずスルー 「下手くそー!」 走り込んできていたコウジが 笑って フォローしてくれた
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