幼なじみ 5

13/31
前へ
/136ページ
次へ
「・・・・・・・・・・・・、」 何か言いかけた栄太は 溜め息を吐いて 「浩介が離れねぇさ」 素っ気なく言う 「俺は岡本だけじゃ不安、だってさ、向こうは三人だぜ? 鉄平はともかく、美和と島田は要注意人物だ。栄太がいないと安心できない」 「うわ、複雑」 「え?」 見上げた栄太が俺を覆う 街灯の下 重なる俺と栄太の影を踏んで 車が走り去っていく ここ、外 人が見てるかもしれない 空いた右手で 肩を押せば栄太は俺から離れる 「ぁ」 押してもないのに 離れた唇が角度を変えて重なり 舌を絡め 俺の唾液を吸い上げてから 「義人の信頼は最高に嬉しくて、信頼してるから行けってのがマジで不満」 嫉妬の色が濃く滲む 栄太の瞳で俺をじっと見て 「参ったな、義人の前だと嫉妬心も吹き飛んじまう」 苦笑した 黒目がちの瞳にボケーッと 見惚れていた俺に 苦笑したっぽい栄太の 照れた表情が格好よくて可愛い うわぁぁぁ、心臓が爆発する 栄太に手を引かれ 歩く俺は赤く火照った顔を あげられないまま帰宅した シャワーを浴びて 砂埃と汚れを落とした俺は 部屋に入り 先に服を脱いでベッドに 腰掛ける栄太の前で服を脱ぎ 床に散らばる栄太の服を ハンガーにかけ パンツを畳んでから栄太を見た
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加