幼なじみ 5

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変態かも、俺 朝の5時 卒業旅行へ出かけた栄太を見送り ふと ハンガーにかかる服を手にとり 鼻先にあてた 服から仄かに香る 栄太の匂いに腹の奥がぞわぞわ蠢く 耳に響く荒い息 肌を濡らす汗 細めた瞳がドキッとするほど 色っぽくて セクシーで格好いい栄太の 俺の内を擦りあげる熱を 思い出していれば 「うわっ、びっくりした」 階下で電話が鳴った 「はい」 『久しぶり』 須田? 耳から放した受話器を眺めて 眺めた自分に苦笑する 声が聞こえてくるだけで 須田の姿は 見えやしない 『会いたいんだ。駅前のバーガーショップにいるから、来てよ』 「はあ? お前なに言って」 チッ 電話切りやがった あー、もう 須田のことなんか気にせず 放っておけばいいだろう いや、けどさ 美和と島田と鉄平 卒業旅行へ参加したあの三人が 居ない時にしか 話せないのだとしたら? いやいや 栄太のいない日を狙ったとも 考えられる 「罠って可能性もあるし・・・・・・、相談、した方がいいよな」 ちょっと考えてから 『義人? どうしたよ』 「悪い、寝てた?」 『いや、ちょうど起きたとこ』 寝起き全開の掠れ声で喋る 奏太に電話した
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