55人が本棚に入れています
本棚に追加
『俺を見ろ! 奏太の好みだろ!』
『はあ?』
『誤魔化すなよ! 厭らしい眼で見てるの知ってるんだから! アイツより俺の具合がいいって教えてやる! 何だよその眼! アイツがいるからか! アイツがいる限り駄目なのか!』
わけの分からないことを
叫んだかと思えば
特定の誰かに憎悪を向ける須田に
『お前、何言ってんの。俺がいつ、どこで、誰を厭らしい眼で見たってんだよ』
うんざりしつつ
問いかけた奏太が耳にしたのは
「お前」
「へ?」
「マサの言い分では、俺とお前はアイコンタクトを交わし愛を確認する仲らしい。否定したんだけどよ、アイツ馬鹿だから、理解できなかったのかも」
冗談めかした口調で
誤魔化しているけどかなり
奏太はイラついてる
そりゃあそうだ
今回は須田が一人だったから
無事だっただけで
体育祭の日ように
集団に囲まれたら逃げ場がない
襲われたときの
嫌悪感を思い出すとイラつくし
マジ、腹が立つ
「とにかく、マサには会うな。御堂に事情を説明して守って貰え」
「・・・・・・奏太は? コウジに守って貰うのか」
「バーカ、何で俺が守られる側になってんだよ」
むぐっ
人差し指と中指で俺の唇を
挟んだ奏太が笑ったとき
《ピンポーン》
マスター・ヨーダと
原田が来訪した
最初のコメントを投稿しよう!