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「お前のせいだ」
「何だよ、それ」
「島田がお前を使って栄太を挑発し、激高した栄太を浩介が宥めようとして隙ができた。だから言っただろう、栄太の足枷になるなって」
コイツ
本気で思っていたのか
俺は栄太の
「足枷って・・・・・・」
「お前さえしっかりしてれば、栄太が島田の挑発に乗ることも、薫が海に落とされることも、卒業旅行が中止されることもなかったんだ」
すべては俺のせい
畳みかけるように責められ
俺は
自分の顔が引きつるのを感じた
怒りと腹立たしさで
ぶるぶる
震える手を落ち着かせようと
手を組み合わせる
挑発に乗るな!
平常心を保て!
感情に任せた行動は
マスター・ヨーダの心証を
悪化させるばかりで
良いことはない
「話を続けさせて貰おうか」
原田を窘めるように
低い咳払いをひとつ入れ
口を閉じたついでに
目も閉じた原田から俺へと
向きなおったマスター・ヨーダは
「薫くんを突き落とした同級生を操っていたのは我々警察が、重要視している男と深い関わりを持つ娘さんだと分かってね。放ってはおけないと判断した。そこで、義人くんに頼みがある」
一拍おいて
「警察は警護集団ではないのでね、薫くんの身の安全を確保したくても限界がある。そこで、薫くんの護衛を栄太に任せたい。事件が解決するまででいい、キミは、可能な限り自力で勉強し、食欲がないなどと言って栄太の興味を引こうとせず、自立した生活を送ることで我々に強力してくれ」
原田の
俺は栄太の足枷説を肯定した
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