幼なじみ 5

22/31
前へ
/136ページ
次へ
「分かってない。可愛い笑顔だけでも、腰にくるんだぜ。俺や原田と胡散臭い親父に正面から反論する奴は珍しい上に、努力家で負けず嫌いを全面にだし、噛みつかれてみろ。惚れるに決まってる」 どうすればいいのだろう アホか 突っ込むには栄太の嫉妬が 嬉しくてできない かと言って 認めることは不可能な内容だ 考えた結果 「やっぱりさ、俺が昼食に混ざるのはよくないと思う。保先輩の弟は人見知りを超えた人恐怖症だ、栄太の後ろに立つ俺を目にした途端、どこかへ逃げ出すかもしれないぜ」 話題を変えることにした ちょっと強引だったせいで 栄太の眉がピクリ 動いたけど無視 「俺のことは心配いらないって、人に付け入られることのないよう強くなるし、クラスにはコウジの従兄弟もいるしな」 コウジを少し やんちゃにした感じのコーダイは 母親が姉妹の従兄弟 中学時代 バスケットをしていたコーダイの 体格の良さと 深みのある声に振り向き 少しクセの強い髪に懐かしさを感じて 声をかけたことで 仲良くなった そのコーダイと 中学二年のとき同じクラスだった 野々村と連れ立って 食堂に向かう途中 「いいのか義人、御堂と一緒にランチ、食べなくて」 俺とコーダイの後ろに立つ野々村が 声をかけてきた
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加