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「分かってない。可愛い笑顔だけでも、腰にくるんだぜ。俺や原田と胡散臭い親父に正面から反論する奴は珍しい上に、努力家で負けず嫌いを全面にだし、噛みつかれてみろ。惚れるに決まってる」
どうすればいいのだろう
アホか
突っ込むには栄太の嫉妬が
嬉しくてできない
かと言って
認めることは不可能な内容だ
考えた結果
「やっぱりさ、俺が昼食に混ざるのはよくないと思う。保先輩の弟は人見知りを超えた人恐怖症だ、栄太の後ろに立つ俺を目にした途端、どこかへ逃げ出すかもしれないぜ」
話題を変えることにした
ちょっと強引だったせいで
栄太の眉がピクリ
動いたけど無視
「俺のことは心配いらないって、人に付け入られることのないよう強くなるし、クラスにはコウジの従兄弟もいるしな」
コウジを少し
やんちゃにした感じのコーダイは
母親が姉妹の従兄弟
中学時代
バスケットをしていたコーダイの
体格の良さと
深みのある声に振り向き
少しクセの強い髪に懐かしさを感じて
声をかけたことで
仲良くなった
そのコーダイと
中学二年のとき同じクラスだった
野々村と連れ立って
食堂に向かう途中
「いいのか義人、御堂と一緒にランチ、食べなくて」
俺とコーダイの後ろに立つ野々村が
声をかけてきた
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