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変な話
膝を診察するのに
手を
太腿に置かないで欲しい
「ふ･･････っ、く」
膝の鈍痛と
太腿に触れる手の感触に
新しい世界を
覗き見そうになって
涙が滲む
「ごめん、痛かったかい？」
指先で軽く
膝を撫でた先生の手が
離れる瞬間
太腿を掠めていくから
ビクン
肩が跳ねた
「間違いなくオスグッド病。ただねぇ」
成長期に
スポーツをやってる奴に
発症の多い病気らしい
「三日前からの痛みとは思えないかな」
虹ヶ丘クリニックの
吉田先生が
レントゲンを見ながら
「階段の上り下りも出来なくなった子と同じ症状だよ。この膝でよくサッカーしてたよね」
淡々とした口調で言った
･･････マジか
まあ、確かに
軽い痛みはあったような
気はするけど
「あの、部活はいつ頃から」
「１．２週間で治る人もいれば、五年経っても痛む人もいる。無理をしない方がいいし、時間も治療の一つと考える病気だからねえ、僕の口からは何とも言えないけど
休部とか
頭の片隅にいれたらどうだろう」
「･･････そう、ですか」
「それじゃ、学校の先生と話したいから呼んできてくれる？」
あーあ、参った
三年が引退して
いよいよ
自分たちの出番って時に
どうして
こんな病気になるかな
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