幼なじみ 1

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「何やってんだ、お前は」 呆れ顔の木村先生と 「タアくんが帰ってきたら、様子を見に行かせるわね」 真理さんに頭を下げ そそくさと 玄関の鍵を開け 家の中へ逃げ込んだ あー、最悪 中学の二年にもなって 母親の再婚 新しい父親 見知らぬ土地での生活 経験のないことばかりで 不安しかなかったであろう 幼児の栄太と 同じ行動をとるとは 思わなかった 「後で・・・・・・、か」 真理さん 栄太は帰って来ないかもよ 女の家で 汗を流す行為をした後は うーん?  どうするのだろう 階段を上るのには苦労した 途中で 歩くのを止めて 尻で一段ずつずり上がっていく 「あーっつい!」 ごろん 床に大の字となって 肩で 呼吸しながら苦笑が漏れる 足を踏み込むだけで 膝が疼くのだから パス回しや ボールカットからの ドリブルなど 出来るわけがない 「あ、そうだ」 オスグッド病は 筋肉疲労が蓄積されて 発症するらしい と、いうことは 『凝ってるな。揉んであげようか』 山田先生は 適当に言ったわけでは ないのかも
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