幼なじみ 2

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「やりたい委員とかあるわけ」 「ない」 「だったら、消去法だな」 総務委員なんて無理 美化委員は 真面目に掃除しろって 女子にせっつかれそうだし ボランティアに 駆り出される福祉委員は サッカーの試合と 日程が被る 次の授業のチャイムが 鳴った チャイムの響きが 消える前に 「学習か保険。この二択で狙おうぜ」 奏太の肩をポンと叩いて 席へ戻った き、緊張する とにかく 窓から栄太が来る前に 風呂をすませよう タンスから Tシャツとスウェットを 取り出し 誰もいない階下へ コソコソとおりる 「大丈夫か、俺」 着脱を面倒臭がる栄太は 上半身裸だろう 今まで 狭いベッドの中で 栄太の素肌に頬をあてて よく平気でいたな 俺 膝といい 栄太のことといい どうやら俺は そうとう鈍い人間のようだ 「ヤバいよな、べたべた触ったら」 一回、風呂で抜く? いやいや 栄太のことを想って 抜いたあと 当人と顔を 合わせるとか無理だろう 平常心だ、平常心 濡れた髪をタオルで 拭きながら
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