幼なじみ 1

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ふふん さては怖がりだな。アイツ 母ちゃんがいないと 夜のトイレに 一人で行けない弱虫で 肩と肩が ぶつかっただけで 『ママ~、ぼくヨシトくん怖い。だって、いじめられるもん」 真理さんに 訴え出るヘタレだ。きっと ・・・・・・・・・。 え、困る 手の主に怖い人認定されたら 隣なのに 真理さんと会えなくなるし イジメってどういうこと? ボキボキ 指を鳴らした母ちゃんの 鉄拳制裁を受けてしまう うーむ どうすればいいのか とりあえず今は 「俺、奏太たちと約束してるから」 顔を見せもしない奴のことで 悩むのは止めて サッカーしてこよう 母ちゃんの横を通って 玄関へ 向かおうとした俺の 「待ちなさい」 リュックを母ちゃんの 怪力で 掴まれたせいで 「おわっ」 後ろへ ひっくり返りそうになった 「アハハ、ごめんごめん」 パッと 手を離した母ちゃんの 反省の欠片もなさそうな 謝罪に鼻を鳴らし 「大丈夫? 義人くん」 涼やかな声で 俺の名を口にした真理さんを 見上げた
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