幼なじみ 2

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問いかけた俺の前に 栄太が膝をつく 不機嫌な 気配を漂わせた栄太の手は 優しく 俺の腰に触れて 「迎えに来た。俺の恋人を」 抱きついてきた マサピーの 触れた場所に抱きつく 栄太が可愛い ヤバいくらいに胸が キュンと 高鳴って苦しい ぽんぽん 広い背中をあやすように 叩く俺の全身 栄太への 愛しさで埋め尽くされた 「うん、ありがとう栄太、一緒に帰ろう」 心臓がドキドキする いつもより 早い時間に帰宅した家には 誰もいなくて 玄関に並ぶ靴も 大きさの違う通学靴だけ 二人で暮らせたなら 考えただけで 愛しさに 胸が締め付けられて 泣きそうになる 渇いた喉を 冷たいお茶で潤してすぐ 栄太とキスをした ひんやりと 冷たい舌先は熱い吐息へと 変化して 「あ・・・・・・、はっ」 俺の腰を ぐだぐだに溶かした 「好きだ、義人」 ドキッとした 冷静さをなくすことの なかった低い声に 余裕がない 「いいよな? 義人を俺のものにしても」 意識して 優しい声を出してると 分かる 栄太の 獰猛に光る眼差しの奥に 滲む欲望も はっきりと目にしたのは 初めてだ
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