幼なじみ 3

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「してるだろう」 「してないよ、義人だったら奏太は駆け寄って、抱き留めて・・・・・・」 「それってマサピーの願望?」 マサピーの言葉を 遮るように割り込んだ 軽い口調で 笑いながら言うことで ジョークだと 逃げれるよう配慮したつもり でも、マサピーは 「そうだよ」 あっさり認めた 照れや気負いは これっぽっちも感じない 目線を 奏太に向けたマサピーの 顔色もふつう 好きな人のことを 好きと認めて どうして ふつうを保てているのか 分からない 分からないから 「そうか」 相づちを打つ以外の 返事を 思いつかなかった 栄太がエロい 腰にひっかけただけの ズボンは ジッパーをあげただけ 丸見えのボクサーパンツの 中の膨らみは俺に 存在を主張してくる うー、問題が 頭に入ってこない 数学の教科書を 睨んで唸る俺の背後に ピタリ 「どこが分からない?」 張り付いてから 身を乗り出してきた栄太の 湿った息づかいが 頬にかかる 「か、確率とかが、ちょっと」 ちょっとじゃないけど
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