幼なじみ 3

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不安とか 胸に抱く嫉妬の感情が薄れ 胸がぽかぽか 温かくなるようなキス 「好きだ、義人」 俺を包み込む栄太の腕も 囁く声も 合わさる唇も甘く 優しかった 「学習委員、力のある方残って手伝ってくれ」 チェッ 理科室の重い器具を 移動するのに 俺は役不足らしい 指名された奏太を残し 理科室を出て 廊下をだらだら歩き 三年五組の 教室に戻っていたら え・・・・・・? サッカー部憧れの大先輩 加藤保先輩を 常識の範囲を超えて 追い回し 迷惑をかけまくる女 三年二組 栄太と同じクラスの 美和と 美和の取り巻きと話す マサピーを見かけた 「マサピー、ちょっといい」 声をかけた俺に 反応したのは伊藤鉄平 決まり悪そうに 俯くマサピーの肩を ポンと叩いて 目を尖らせて俺を見た 伊藤鉄平は 大人しい奴に雑用を 押し付け 自分より強い男 栄太には近寄らないし 奏太にも反抗しないけど 美和の前では 格好をつけたがるアホ マサピーも コイツのこと嫌ってたのに 「何か用? サッカー部のお姫様。一人で出歩いていいわけ、護衛はどうしたんだよ」 お姫様? 護衛? ふざけやがって
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