幼なじみ 3

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口笛を吹くように 唇をすぼめ 猫背ぎみに俺の顔を じーっと見て 「一人だもんなあ、怖くて何も言えねーってか」 ニヤリと笑った アホ。 俺をキレさせようとして 挑発してるの バレバレだから 伊藤を無視して マサピーに視線を向けた 「マサピー、接触禁止令を忘れたのか」 ビクン 肩を揺らしたマサピーの 顔色が変わる 多方面から 保先輩の弱みや 情報を買い取ろうとする 美和はサッカー部の 敵。 そう認識を一致させ 接触禁止令を 出した女と 廊下で立ち話するだけでも 保先輩や仲間を 裏切ったと誤解されかねない 「いや、禁止っつーか、そんな大げさなもの気にしない程度の、ちょっとさ、話を」 「ちょっとならもういいだろう? 戻ろうぜ、教室へ」 「・・・・・・まだ、オレ、あのさ」 「話するくれぇ勝手だろうよ、縛ってやんなよ」 伊藤がマサピーを 俺から 庇うように割って入り 「虐めてんの、コイツのこと」 横から口を挟んできた 「ウゼェ、お前と喋ってるわけじゃねーから」 マジ邪魔 すげー邪魔コイツ 「何だよその眼、やろうってのか、ぁあ?」
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