幼なじみ 3

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「邪魔なんだよ、俺の前にちょろちょろ顔を出さないでくれない?」 「んだと? 調子に乗るなよクソが!」 伊藤の大声に ハッと 目を見開いたマサピーの肩に 腕を回した島田 島田の腕を 振り払おうともがく マサピーの元へ 行こうとした俺の前へ 伊藤が立ち塞がった 「マジでボコられるぜ、膝をよ、痛めてんだろ? 最初にソコ狙われて暴行されるぜお前」 どこまでも人任せなゲス 最低男の 腕が俺へと伸びてくる 弱いくせに 俺の邪魔すんなっての 思った俺の腰に腕が 巻き付いた この腕が 誰のものかなんて 確認する必要はないくらい よく知ってる腕に 力が籠もった次の瞬間 ふわっと浮いた体が左へ 一歩ずれていて 勢いを止められない伊藤は 栄太の 胸倉を掴んでいた 「これは何の真似だ?」 いや、あの、その 黒目がちの瞳に俺を映し 唇を歪め 薄く笑う栄太が怖い 栄太の纏う 冷たい空気に鼓動が 痛いほど高鳴り 冷や汗が ツツーっと背中を伝い 落ちていく俺と 「あ・・・・・・・・・・・・、まっ、違っ」 同じくらい 動揺してる伊藤の声を 耳にした でも、栄太は 伊藤には目も向けず 胸元の右手をとり 無造作に伊藤の手首を 捻った
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