幼なじみ 3

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呆気ないくらい簡単に 廊下に 伊藤はひっくり返った あれ・・・・・・? ひっくり返っただけだと 思ったのに 白眼を剥いた伊藤の 意識がない コツン 栄太が伊藤の腰を蹴る ハッと 覚醒した伊藤が背中を さすりつつ 「ヤベェ・・・・・・失敗した」 島田の後ろへ隠れた 文武両道の栄太 強いとは知ってたけど 今のは凄い 無意識なのか 意識してなのかは 分からないけど 美和と島田が 栄太から距離を置くように 数歩下がった 「ほーらね、マサくんが心配しなくても彼は、守られてるのよ。彼の関心は彼にしか注がれてないし、そこの彼の愛情も全て、彼だけのもの」 クスッと笑った美和は 大人しく 島田に肩を抱かれる マサピーの 腕にしなだれかかって 「可哀想なマサくん。一人で色んなものを背負って息苦しいでしょう? 私、楽にしてあげたいわ、あなたのこと」 マサピーの胸に置いた手を 円を描くように 撫で動かす 島田が美和の手を 払い退けないマサピーの 頭を撫でながら 「可愛がってやるよ。パーティーを開いてさ、空洞を満たしてやろうぜ」 俺に向けた目を細めて にーっと薄気味悪い 笑みを浮かべた
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