幼なじみ 1

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瞬きすることなく じっと 俺を見つめてくる鮮烈な瞳 あの時 胸が苦しいと感じたのは 黒目に魅入られた俺が 無意識に 呼吸を止めていたせいだ 「朝だぞ、起きろ」 枕を胸にぎゅっ 抱きしめ 寝ていた俺の耳に響いた低い声 ・・・・・・ん? ぼーっと 閉じていた目を開ければ 夢の中の 幼い面影を残さない 14才に成長した栄太の 整った顔が見えた いや・・・・・・、一つだけ 黒目がちの瞳だけは 変わっていない 「色っぽい格好して寝てたら襲われるぞ。俺に」 色っぽい・・・・・・? 暑さに 汗ばんだTシャツに触れても 腹は出てない けど 俺を見下ろす栄太の 視線が 強すぎて 「自分はなに。上半身裸でベランダ乗り越えてたらその内、通報されるぞ」 暑さに 蹴落としたタオルケットを 拾って 体を隠したくなる 「俺を誘ってるのか。隣で寝ろ、と」 はあ? 「バ・・・・・・っ、ん」 馬鹿! 怒鳴ろうとした俺の口を 塞ぐように 薄く笑った栄太の手が 太腿に触れ スーッと 付け根まで移動してくる
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