幼なじみ 3

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マサピーの告白を 聞いたとき 『そうか』 じゃなくて もっと気の利いた言葉を かけていれば 良かった 部活に行ったらすぐ 主将のコウジに 「ちょっと」 手招かれた 集まってるのは三年ばかり でも一人だけ 姿がない ボールを 足裏で転がす奏太の隣に 立って 「なに?」 コウジに訊いた 「今日、ゲームセンターで須田が警察に補導されたって、学校を抜け出して一人で遊んでたらしいぜ」 「はあ?」 何それ どういうことだよ 「美和たちは? アイツらと一緒に行動してたんじゃねーの」 「あの女が補導されるようなヘマするかよ」 言葉を吐き出すように コウジが言う 「今、職員会議で中体連を辞退すべきじゃないかって、揉めてる最中だ。引退試合、駄目かも」 嘘だろう 「わざとだったりして」 忌々しげに 言ったタカヒロは 「俺らが距離を置いた仕返し、須田にされたんじゃねえの」 スパイクでグラウンドの 土を削るように 蹴った 「まさか、ないない、冗談キツいぜ。マサピーだよ? ワザとなわけないじゃん」
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