幼なじみ 3

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「・・・・・・でも、格好いいんだろうなぁ」 筋肉のラインをくっきり 浮かせた腕と 足は隠しようがないし 視界に飛び込んでくる シュッとした造りの 整った顔は 意志が強そうで 頭も良さそうで 気後れしてしまうけど でも目尻に薄く シワを寄せ笑った顔は 柔らかく優しい ハア・・・・・・ ため息を吐いて 机に出しっ放しの 裁縫道具を 片付けようとして気がついた 栄太がいる 机の端に腕を置いて 顎を載せ 俺をじっと見ていた いつから? 気配を殺して俺を 見ていたのだろう 首筋に、横顔に、手に 栄太の視線を 感じた俺の顔が熱い 「できた?」 ・・・・・・ヤバっ 不意打ちの 甘えるような声音は 心臓に悪い 「・・・・・・うん、ギリギリになったけど、何とか」 「構わないさ、そんなことは」 立ち上がった栄太は 俺の後ろへ 回ってきて 「ありがとう。感謝してる」 背を屈めた あ、キス 頬にかかった吐息へと 顔を向け 唇を重ね合わせる 「あ・・・・・・」 したばかりなのに もう離れるのか? 思った俺の心の不満が 物欲しげな声に出た ヤバい めっちゃ恥ずい
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