幼なじみ 3

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思いっ切り 目を泳がせる俺の顎を 捉えた 栄太の指に力が入って 「体育祭終わったらお祝いしよう。ベッドで、今後の予定を話し合おうぜ」 激しく 唇を塞がれた 触れたい気持ちを抑え 我慢してたのは 俺だけじゃない そう伝えてくる 流れ込んでくる激情に 溺れてしまいそうな 口付けだった はっきり言って、暑い 照りつける日射しを浴びて 真っ白に光り輝く グラウンドを 生徒たちは ふらふら揺れながら走る 誰もやる気なんかない 夏休み前の7月 梅雨明けのクソ暑い時期に 体育祭をやる理由が 分からねー 奇数クラスの俺は 赤色のハチマキしめて 騎馬戦に参加 膝を痛めていても 体重が軽くすばしっこい俺は 当然、騎馬の上 中体連辞退の憂さを 晴らそうと サッカー部で結成した騎馬は やる気が漲ってる 「騎馬を潰す気で行くぞー!」 「おー!」 合図と同時に 突進していく騎馬の先頭は 奏太 俺たちの形相にビビって さーっと逃げていく騎馬は 無視して 勝負を挑んでくる騎馬から 次々と ハチマキを奪い取った こんな時 一番はしゃいでいたハズの マサピーは 島田たちと肩を並べ 養護テントに居座ってる
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