幼なじみ 3

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「マサのことは放っておけ」 言いながら 俺の視界を遮るように 立ったのは奏太 うん・・・・・・ 頷く俺に 大丈夫かよ 言いたげにため息を吐いて 苦笑した奏太が 「じゃ、俺、リレー行ってくるから応援頼むぜ。いいか、俺が戻ってくるまで大人しくしてろよ」 応援席を指し示してから 歩き出す え、もう? 思って 赤組の反対側に陣取る 白組の 応援席へと顔を向けた 体操服を着て だらだら歩く集団の中でも 栄太は目立つ 長い手足を動かし グラウンドの端を歩く 栄太が腕で 顔の汗を拭いた ただそれたけなのに 何て 格好いいんだろう ぽーっと 栄太に見惚れていた時に チクリ 刺すような視線を感じた 振り返れば 養護テントから一人で 離れたマサピーが 俺を見ていた 視線が合うと 何もなかったような顔で 背を向け 校舎へと歩き出す 「ちょっとトイレ行ってくる」 誰ともなしに声をかけ 赤組の 応援席から抜け出した 養護テントに座って ニタニタ 笑って俺を見る島田の視線が 気になる。けど 俺は一対一で マサピーと話せるチャンスを 逃したくない
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