幼なじみ 3

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全身に 怒りを漲らせていないと 心が挫けそうだ さっきまで 鳴り響くポップな曲を 体育祭の風物詩とさえ 思っていたのに 今は近所から 騒音の苦情が出ないかと 期待してるんだもんな 須田の目的が 俺を殴ることにあるなら 絶好の機会だろう あーあ、ツイてないや 楽しみにしてたのに 栄太とベッドで 愛し合う行為をするの 受験とか言ってたけど 部活をする俺の体力を 気遣ってくれたことくらい 分かってる 俺が怪我なんかしたら 絶対 抱いてくれなさそう 大好きだよ、栄太 目尻に薄くシワを寄せ 笑う栄太を 胸に思い描いて 気を引き締めた俺は 柔和な笑みを浮かべて 俺へと 近付いてきた男と対峙した 「やあ、義人」 フン。 差し出された右手は無視 指一本 アンタに触れる気はない 殴る時以外はね 横から口を出そうとした 須田を男が 腕で制してから右手を 引っ込めた 「写真で見るより、何というか、セクシーだね」 写真? 俺の視線を受けた須田が 男の背後で にやにや笑う チッ シメてやりたい
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