幼なじみ 3

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「どうしたんだい、そんな顔して」 どうしたもこうしたもない 肖像権の侵害で 告訴してやろうか 糞ったれどもめ 「彼のお陰で義人と僕は出会えたんだよ。感謝しないとね」 「は?」 「会いたかった。信じられないよ、汗だくになっててもセクシーなんて、脱いだらさぞ、想像するだけで興奮する」 いやいや、ちょっと待て 少し照れた柔和な笑みを 浮かべるこの男の 眼がヤバい 頬へと伸びてくる手を 避けるため 一歩下がって素早く 男を観察した 高級そうなシャツに 包まれた肉体は 逞しく引き締まっている 「アンタ、誰」 時計はイギリス製 超有名ブランドものだ 身長は奏太と同じくらい 182cmはありそう 「義人に伝えてなかったのか、僕の名前を」 「ぐえっ」 なに・・・・・・、やって 須田に事情を訊きもせず いきなり 腹を殴るとかあり得ない ぴくぴく 顎を痙攣させた男の拳は お腹に手をあて 腰をくの字に曲げた須田の 背中に叩き込まれた 抵抗しない須田が 膝をつき 謝罪を繰り返しても 止まらない暴力 イカレテル 須田を殴る男も 一方的な暴力を面白がり 声をあげ笑う 俺の周りを取り囲む連中も 頭がおかしいとしか 思えない
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