幼なじみ 3

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「また、綺麗になった」 誰かに聞かせるというより 胸の内で思った言葉が 口をついて出た そんな感じの呟きを 「は?」 聞き間違えたかと 思っただけで 「義人の笑顔はいつだって魅力的だが、今のは、今まで目にしたことのないほど綺麗だった」 詳しい説明が欲しくて 『は?』と 言ったわけじゃなかった こんな時 恋人としてどんな言葉を 返せばいいのだろう 胸がドキドキし過ぎて 声がでない 「恋人面できるのも今の内だ。一度抱けば、義人は俺のものになる」 あ、忘れてた 忘れてしまうくらい どうでもいい男 堀内から 隠すように俺の体に 腕を回した栄太の 「触らせるわけねえだろう・・・・・・」 唸るような低い声に ドキドキした 立ち去っていく堀内の 交通手段を 確認してくれたのは 奏太とコウジ 堀内はいつから 俺を付け狙っていたのか? 島田と堀内の繋がりは? 須田に訊いても 何も答えてくれなかった 「分かってるだろう? 体育祭が終わったら、何をするか」 うん、分かってる 分かってるけど
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