幼なじみ 4

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何だよ、その表情 俺が怒ってるのって お前の中でそんなに意外な 出来事なのかよ 「朝の栄太、制服を着た栄太、俺に甘える栄太。どの栄太も、独占してるつもりでいたのに」 「それって嫉妬?」 「そうだよ!」 思わず声が尖る 面倒臭がりな栄太は 恋人面されるのを嫌う 駄目だ、ヤメろ 押さえても押さえても 一度口にした不満は 止められなくなった 「俺と女を別物と考えられるのも、栄太の腕に女の腕が絡むのも、一緒の部屋で空気を吸っていると想像するのも嫌だ」 あー・・・・・・ 独占欲にまみれた本心を 言ってしまった 栄太に愛されてる その事実に 満足していればいいのに それ以上を 求めてしまう自分の 欲深さに呆れてしまう 同時に 失ってしまう恐怖に頬が 強張って 冷えた唇が震えた 「時には腕に腕を絡めてくる図々しい女もいるが、ハエがたかった程度にしか認識していなかった。今後は意識して払おう」 栄太の言い様に 校門で待ち伏せる彼女が 気の毒になった 「それと、もうーつ。俺には女と義人は別物としか思えない」 分かっていたことなのに 言葉にされると キツいなぁ
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