幼なじみ 4

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心の内に秘めるつもりが 「かっこいい」 ポロッと 口について出た う、恥ずかしい お腹が熱い ボッと顔が燃える それでも 口にした言葉に嘘はない 潤んだ瞳を 逸らすことなく栄太に 向けていれば 目を見開いていた栄太が 歯を見せて破顔した 見慣れた笑顔とも違う 心から 嬉しそうな笑みに 胸が高鳴りすぎて 目眩がした 「あ・・・・・・は、あっ」 栄太の望むところに 迎えたかった 栄太にも感じて欲しいと 強く願った 彼の力強さ 優しさ 愛おしさを感じながら 栄太のリズムに合わせ 腰を動かしていると 「義人は、俺のものなんだよな」 胸を揺さぶる声音で 栄太が囁いてくる つき合い初めたのは 何ヶ月も前のこと 面倒臭がりの栄太に 遠慮して 女と俺は別物だと思い込み 俺だけのものには ならない男だ 栄太を独占するのは 夢だと諦めていた そんな俺の感情が 栄太に伝わっていたから 『それって嫉妬?』 真剣な顔で でも、期待した声で 訊いてきたのかもしれない 「そうだよ」 ありったけの愛情を 込めて 栄太に微笑みかけた
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