幼なじみ 4

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じわじわ 赤く染まっていく栄太の 目元 「そうか」 少し照れた表情が可愛い この表情もぜんぶ俺のもの そう思うだけで 胸がいっぱいになる 愛しさが目に見えるなら 俺の身の内から 溢れ出てていくのが見えるだろう 俺に負担をかけないよう 動く栄太の広い背に しがみついて身を震わせた 夏休みに入って うあー、馬鹿にされるかも 暗号にしか見えない 赤点ギリギリのラインを 保ち続ける 数学英語理科の指導を 恐る恐る 栄太に願い出た 「教科書の内容を理解するコトから始めようか」 「えー?」 「入試に出題される問題は教科書の内容を越えることはないんだ。しっかり理解すれば解けるようになるぜ」 教科書を見て 理解できたら困ってない 思っていたけど 「あ、そういうことか」 丁寧な解説つきで 教科書で勉強し直した俺の 宿題は進んだ 「栄太・・・・・・?」 目が覚めたら 栄太の姿はどこにもなかった 寝過ごした? 栄太の通うジムは ボランティア活動の一貫として 夏祭りの 準備に必要な力仕事を手伝う 慌てて 時計を確認してみれば まだ朝の6時だ
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