幼なじみ 4

13/26
前へ
/136ページ
次へ
堀内が喚く 握っていられず手放した拳銃を 股間を押さえていた左手に 持ち直し 「その足をぶち抜いてやる! 二度と悪さができないようにな!」 銃口を向けてきた え・・・・・・嘘だろう? まさか、本物、なのか? 目をつり上げ 歯を剥き出しにした堀内の 手元で 《カチリ》 安全装置が外された まだ事態が呑み込めない ただ、この表情で 玩具でした。というオチは ない気がした 守れるなら、いいか 栄太の無事を思えば 毅然とした態度で 堀内に立ち向かえる 「良かった。証拠が残れば襲われたのは栄太だと証明できる」 「黙れえっ、お前は俺のだ」 ふっと 堀内の姿がかき消された 《ガツッ》 顎に栄太の拳を受け 地面に 倒れ込んでいく堀内の指が 痙攣して 引き金を引いた 《パンッ》 爆竹を鳴らしたような 銃声が響く 暴発を防ぐため 白眼を剥いた堀内の手を 栄太が踏みつけた ゆっくり 振り返った栄太の顔が怖い 「ー人で解決しようとせずに俺を呼べと言ったよな」 えーと、だって、あの 栄太の集中を 削ぎたくなかったというか ですね 守られるばかりでなく 守りたかったというか
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加