幼なじみ 4

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「驚いただろう? 交番勤務の者と違って、我々は素性を明かさないんだ。警視総監以外はね」 簡単な質問だけで 警察署に 同行を求められることなく 解放されたのは マスター・ヨーダ 犯罪心理分析官、御堂竜彦 栄太の父親のおかげ 詳しいことまでは 教えて貰えなかったけど 警察内部の 裏切り者を炙り出すのに 俺と栄太は この人に利用されたらしい 『アンタは信用ならない。義人を直ぐに家へ戻せ』 『おや、気付いてると思ったのだが』 『アンタも気付いていただろう。俺が義人を大切にしてることを』 冷徹な眼差しを父親に向け 栄太は俺を 家に送り届けてから 祭りの手伝いに出掛けた その五分後 訪ねてきたマスター・ヨーダを 追い返すわけにもいかず 玄関でいいと言う彼と 二人きりで 立ち話している状態だ 「秘密を持たせて悪いけど、今まで通りキミのご両親にも内密にして欲しい。凶悪犯から家族を守るためにもね」 ああ、そうか 俺が軽々しく 隣のおじさんは警視正の お偉いさん キャリア組の中でも トップクラスのエリートだと 言い触らさないよう 念を押しにきたのか
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