幼なじみ 1

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「まったく、まだ授業してたのに」 はっきり言って 栄太の睨みは玉が縮むくらい 怖い 「けどさ、珍しいな。栄太が表情に出すほど人を嫌うのは」 栄太の凄みのある眼差しに 見据えられ あたふたと 教材を抱え教室を後にした 山田先生と 「何か揉めたりしたわけ?」 「朝飯を食わなかっただろう。昼は食え。腹に収めろ」 コイツ、聞いてねーし 看護士の仕事で忙しい 母ちゃんの代わりに 俺のも 用意してくれる 真理さんお手製弁当を ドン! 机の上に置いた栄太が 重箱の蓋を パカッと開ければ 全てのおかずが二品ずつ 綺麗に並んでいる ・・・・・・けど 「暑いし、食欲ない」 照りつける日射しの中 (教室だけど) もともと 食に欲のない俺は ご飯を目にしただけで ゲップが出そう 「流動食を希望か。口移しで食わしてやろう」 「すみません。食べます」 冗談か本気か 分からない栄太の提案は 下手に頷けない 『勃ってるな。搾ってやろうか』 青少年の生理現象を 搾るなど 冗談だと思って頷いた結果 毎朝のアレに 繋がっている
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