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目覚めた翌日の健康診断で
《異常なし》
医師の太鼓判を得て
翌々日には
退院の許可がおりた
「あーあ、また痩せてるよ。案山子みたいだ、俺」
鏡に映るのは
頬のこけた平凡顔
眠っていたのは八日間
熱中症
脱水症に続いて
低温火傷の完治も近い
元気になったことを
喜ぶべきなんだろうけど
やっぱり
痩せすぎな自分は嫌だ
あ、栄太
俺の肩に顎を乗せ
微笑んだ栄太の吐息が
耳朶にかかり
「綺麗だよ。義人の美しい瞳と可愛い笑顔に変化はない」
伸びた髪をふわりと揺らす
あー、うん
恥ずかしいことを
口にする栄太の
嬉しそうな表情が可愛くて
明らかに目が変な発言に
んなわけねーだろう!
と、突っ込めない俺は
相当のバカだと思う
「行こうか」
俺へと差し伸べられた
大きな手は
「うん」
俺の手を柔らかく包み込む
小さな頃から
繋ぎ慣れてるせいだろう
俺と栄太に
変な好奇心を向けてくる人は
一人もいない
そのことを
喜べばいいのか
恋人同士に見て貰えないことを
拗ねればいいのか
ちょっと複雑な気分だ
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