幼なじみ 5

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「どんなに疲れても、二度と道路で寝ないのよ」 「はい。お世話になりました」 母ちゃんの同僚に 頭や肩を 叩かれている俺の横で 「私は今夜夜勤だし、うちの人も出張でいないから頼んだよ。義人のこと」 栄太も母ちゃんに 肩を叩かれていた 病院の前に停車するタクシーに 乗り込み 久し振りの我が家へ帰宅すれば 「お帰り義人」 栄太が開けてくれた玄関に 「うわぁ・・・・・・」 折り鶴の花束が置かれていた 不器用な栄太の 崩れた折り鶴の花束をそっと 「ありがとう。素敵だ、これ」 胸に抱えれば テーブルの上にも 階段にも 浴室のドアにも 不格好な折り鶴の花束が 飾られているのに 気付いた 「ああ・・・・・・、栄太」 「義人のいない一日が長くて、苦しくて、何かせずにはいられなかったんだ」 リビングの明かりに照らされて 目元を少し 赤く染めた栄太の 「ちょっと、いやかなり下手くそだけどさ。彩さんの提案で折り鶴を花束にしたんだ。本物の花より、ぜったい喜ぶからって」 栄太が俺を想って 懸命に折ってくれた折り鶴の 花束以上に 嬉しいものは この世に存在しない
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