気づけばそこは

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少女は目もとを手で拭うと男…いや、死神に再び尋ねた。 「帰ることは出来ませんか?」 「なんと!帰るとな?」 死神は驚いて持ってた鎌を落とした。 「私、まだやり残したことがあるんです!」 「あーはいはい、そういうパターンね、ちょい待ち」 死神は内ポケットからメモリを取りだし続けてペンを取りだしてペン先を少し舐めた。 「聞いてくれるんですか?」 「暇だからね、さ、言ってみ?」 少女に少し笑みがこぼれ、周囲が輝きを増した。 「で、帰りたい理由は?」 「私、好きな人が…」 「はい、終了」 「ちょ、早すぎません?」 「ボカア色恋沙汰は大嫌いなんでねぇー…だから諦めて下さいませんか?」 「やです!絶対や!」 「そんなこと言われてもねぇ…」 死神は顔をポリポリとかきながら続けた。
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