一緒に夢を追いかける者

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そしてふと棚の上に置かれている紙に気付いた。 その紙を手に取る ゆっくり広げるとそれは、藤咲が書いた契約書だった。 「………………………………」 やっぱりこれに気付いたから……そう思いながら眺めていると 隅の方に一言だけ明らかに近藤の字で 【紙の裏を見ろ!】と書かれてあった。 「……裏?」 気になって裏を見ると 裏には、俺に向けて書いた手紙が書かれていた。 ―――――――――――――― この紙見てるて事は、 目覚ましたんやな 俺は、死んでるけど…… 手紙なんか俺のキャラ ちゃうんやけど、 どうしても伝えたい事が あんねん…… まずお前に謝らなあかん からな…… すまん、俺…… お前が交わした契約 取り消して変わりに お前の病気治して 貰う事にしてん…… 俺の生命をお前に捧げて な……捧げたら死んでまう て知ってたんやけどな、 それでも助けたかったや そこは、理解せいよ 死んでまうなら最初から お前が入院した時に また一緒に漫才やろなて お前と約束なんかせん かったら良かったな…… でもな俺は、後悔なんか してへん!むしろ満足 してんねん藤咲の事を 助ける事が出来て…… 今こうして書いてるけど 何書いたらええかよう 分からへんな…… 正直言ってほんまは、 死ぬて実感なんか今も ぜんぜん湧かんし…… お前にやから言うけど ほんまは、めっちゃ死ぬ の怖いんやからな! あっ犬頼んだわ お前の家におる犬と 仲良くなれるか分からん けど頼めるのお前だけ、 やから……頼むわ あと 口でははずくて言えん からここで言うけど 今までありがとな藤咲 お前と一緒に漫才やれて ほんま良かったわ…… だから俺の分まで 絶対に生きろや、 生きられへんやったら 許さへんからな! 俺は、お前の中で 生き続けるから…… 心配すんな あと絶対泣くなよ? 泣かれたら困るから まぁ無理やとは思う んやけどな これだけは忘れんな 俺は、死ぬけどお前の 中では、生き続けてる から…… なんか終わろ思た瞬間 どんどん伝えたい事が 出てくるわ…… でもほんまこれを 最後にするわ 絶対自分のせいや… とか思ったらあかん からな! これは、俺が自分で 決めた事やから…… お前の事やから絶対 そう思うから言うとく じゃあな       近藤より ――――――――――――――
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