第5章 罪

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1時間くらいかけて、二人で穴を掘った。 「もう…このくらいで大丈夫だよ」 「…わかった」 (今から、人の首を埋めるんだ…) ビクビクしていると、小野くんが言った。 「手伝ってくれて、ありがとう。森本さんはここまでで、帰って」 「えっ…最後までまで手伝うよ…」 「ダメ!最初に僕の指示に従うって約束したでしょ。森本さんは穴を掘るまでだよ」 「…わかった…」 「…手伝ってくれて、ありがとう」 私はモモと帰った。 うちに帰ると、まず手を洗って、泥を落とした。 「…小野くん…大丈夫かな…?」 その日、学校に登校すると、小野くんはもう席についていた。 校舎に入る時、恐くて校庭を見ることができなかったー ー共犯ー 学校で話すことはできいから、下駄箱に赤い折り紙で折った鶴が入っていると、翌日に決行する合図になった。 赤い鶴が下駄箱に入っていると、翌日の午前3時30分に校門の前で待ち合わせをした。 ニュースや新聞で、失踪事件や犯罪が報道されるたびに「昨日掘った穴に埋まっているのは、この人かもしれない…」と怯えた。 いつもは、穴を掘り終わったら、私は先に帰っていたけど、今日はなんだか心配で、校門の前で小野くんが来るのを待っていた。 40分後… 小野くんが出てきた。 「森本さん…?何でまだ居るの…?」 小野くんは私を見て、驚いた様子だった。 「一緒に帰ろうと思って、待ってたの」 その日、二人は初めて一緒に帰った。 ー帰り道ー 「朝ごはん買うから、コンビニに寄ってもいい?」 小野くんは、コロッケパンとオレンジジュースをカゴにいれた。 「森本さんも、食べたいのカゴにいれて。こんなのじゃ、手伝ってくれるお礼にはならないかもしれていけど…」 「ありがとう」 私も、ドーナツとりんごジュースをカゴにいれた。 二人で公園のベンチに座って、パンを食べた。 「小野くんって、いつもごはん、コンビニで買ってるの?」 「朝と夜はコンビニとかスーパーで買ったものを食べてるよ」 「買うお金はどうしてるの?」 「最初の頃はお兄ちゃんがお金をくれたけど…今は、お父さんの保険金のお金を使ってるんだ」 「…そうなんだ…ごめんね…大事なお金なのに…私、自分の分は返すよ!」 「そんなのいいよ!こっちこそ、朝ごはん、付き合わせてゴメンね…森本さんは家に帰ったら、朝ごはん用意されてるよね」
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