第3章 共犯

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小野くんがランドセルから出した、バスケットボールのようなもの… (人の首!!) 時代劇で、罪を犯した人が生首をさらされるという場面をドラマで見たことがあるが、信じられない気持ちだった。 「…森本さん…」 小野くんが、私に気がついて、こちらに近づいていた。 (…こないで…) 恐怖で足が震えて動けない。 「森本さん、どうしてこんな朝早くに学校にいるの?」 普段と変わらない姿に拍子抜けしてしまう。 「…森本くんこそ、こんな所て何やってるの?……本物の人の首…じゃないよね…人形とかマネキンの首とかだよね…?…」 「………」 「…本物だよ…」 「本物の人間の首だよ」 (うそでしょ…) 「…それ…どうしたの…?」 「… … … … …」 5秒くらいの沈黙があった。 「…僕が殺したんだ…」 私は恐怖で、その場を走り去った。 ー2週間後ー あの朝、衝撃的な物を見て以来、2週間学校を休んでいた。 目を閉じると、あの光景を思い出してしまい、眠れない日々が続いていた。 ー僕が殺したんだー (小野くんは殺人犯なの…??) 親にも、学校の先生にも相談できなくて、 1人で苦しんだ。 (誰かに話したら、私が殺されるかもしれない…怖 いよ…) 最初は怖くて、外にも出られなかったが、お腹が痛い、頭が痛いといった、学校を休む口実のネタも切れ、何より家族に心配をかけたくなかったから、学校に行くことを決めた。 校門はなんとか、通ることができたが、怖くて、花壇の方は見れなかった。 教室に入ると、長い休みを心配した友達が声をかけてきた。 「…風邪引いてたんだ。もう、大丈夫だよ」と友達を心配させないように嘘をつき、席に着いた。 その時、小野くんと一瞬目が合った気がした… それから、数日たったが、小野くんは前と変わった様子もなく、話すこともなかった。
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