2 再会

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夜。 夕飯も食べ終わり、世話になっている親戚家の縁側で缶ビールを開けながらメモを眺めた。 あの後、同僚には大学の後輩だとだけ告げてそれ以上は無視を決め込んだ。 彼はおれが音楽に携わっていたことは知らない。 余計なことまで話をしたくなかった。 ヒュウガは、音響の仕事をしていたが事情があって戻ってきた、と言っていた。 事情、仕事を休んでまで帰郷する事情。 何にせよ、おれの『事情』にまで深く突っ込まずにいてくれた後輩に聞けるはずがない。 「絶対連絡」の言葉を思い出して、アプリを立ち上げる。 『イバだ。今日は、驚いた』 返事はすぐにきた。 『もう!遅いですよ!連絡、くれないかと思いました』 メッセージの後にクマが怒ったようなスタンプがついてくる。 『ごめん、仕事が長引いた』 嘘をつく。ビールを飲んでいた。 『お疲れ様でした!でも本当に偶然。まさか先輩に私の地元でお会いできるなんて思ってなかったです』 それはこっちのセリフだと思いつつも、昼間ヒュウガの言葉から気になったことをぶつけてみた。 『おれ、行方不明ってことになってるのか?』 『あ、もちろん週刊雑誌とかでーとかそんな大事にはなっていませんよ?ただネットでは先輩以外、みんな活動してるから…行方不明説が噂になってるって程度で』
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