EP1  天空

6/10
前へ
/40ページ
次へ
    警察車両が走り去っていく。 和佐  「ごめんなさい、大事に成っちゃって」 正明  「本当に大丈夫?」 和佐  「怪我はないので、平気・・でも」     自転車の前カゴが歪んでいる。 正明  「弁償するよ・・」     XXX     自転車店、真新しい黄色い自転車を押す和佐、並ぶ正明。 和佐  「一台まるごと、買ってもらちゃっていいのかな」 正明  「もちろん、そんなに恐縮しなくても、悪いのはこっち     なんだし」 和佐  「ありがとう、じゃ遠慮なく・・」 正明  「住所・・この辺りだよね?」 和佐  「はい?・・」     歩みを止める。 正明  「さっき防犯登録の住所、覗き見しちゃた」 和佐  「覗かなくても、教えましたよ」     口元に笑み。 正明  「それに、後で痛くなったりするといけないから、連絡先     交換しとこうよ?・・だめ?」 和佐  「う~ん・・良いけど、私めんどくさいですよ・・」 正明  「それは困るな・・でも簡単すぎるのも困るから・・」 和佐  「・・・」 〇 ファミリーレストラン 店内 日替わり 夜     テーブル、座る文夏と和佐。     隣のおばさま軍団が、店員にクレームを言うガミ声。 和佐  「なんですか、御用は?」     少し声のトーンを上げて。 文夏  「この前、誤解されたままだったら、困るなと・・」 和佐  「困ります・・なんであなたが困るか分からないし・・」 文夏  「・・・あのこれを」     リボンの箱を差し出し、和佐の手に握らす。 文夏  「あっ!、こういう事はいつもしてる訳じゃなくて・・」 和佐  「・・・」 文夏  「初めてだから・・あの・・」     立ち上がる文夏。 文夏  「好きです・・だから・・」     隣のおばさま軍団が注目する。 和佐  「・・・」 文夏  「・・さよなら!」     伝票を持って、レジに向かう文夏。     レジで小銭を落とし、拾う。     後ろを通り過ぎる白いスネ。      〇 ファミレス 出入り口 その後     出入り口の扉を開け、出て来る文夏、腕組みして待つ和佐。 文夏  「あっ!・・」 和佐  「置いてけぼり・・」 文夏  「そう言うつもりじゃ・・」 和佐  「置いてけ堀は、地名でしょ、なのに置いてけ堀を食らう     って、食べれるの?食べ物?」 文夏  「・・・」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加