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警察車両が走り去っていく。
和佐 「ごめんなさい、大事に成っちゃって」
正明 「本当に大丈夫?」
和佐 「怪我はないので、平気・・でも」
自転車の前カゴが歪んでいる。
正明 「弁償するよ・・」
XXX
自転車店、真新しい黄色い自転車を押す和佐、並ぶ正明。
和佐 「一台まるごと、買ってもらちゃっていいのかな」
正明 「もちろん、そんなに恐縮しなくても、悪いのはこっち
なんだし」
和佐 「ありがとう、じゃ遠慮なく・・」
正明 「住所・・この辺りだよね?」
和佐 「はい?・・」
歩みを止める。
正明 「さっき防犯登録の住所、覗き見しちゃた」
和佐 「覗かなくても、教えましたよ」
口元に笑み。
正明 「それに、後で痛くなったりするといけないから、連絡先
交換しとこうよ?・・だめ?」
和佐 「う~ん・・良いけど、私めんどくさいですよ・・」
正明 「それは困るな・・でも簡単すぎるのも困るから・・」
和佐 「・・・」
〇 ファミリーレストラン 店内 日替わり 夜
テーブル、座る文夏と和佐。
隣のおばさま軍団が、店員にクレームを言うガミ声。
和佐 「なんですか、御用は?」
少し声のトーンを上げて。
文夏 「この前、誤解されたままだったら、困るなと・・」
和佐 「困ります・・なんであなたが困るか分からないし・・」
文夏 「・・・あのこれを」
リボンの箱を差し出し、和佐の手に握らす。
文夏 「あっ!、こういう事はいつもしてる訳じゃなくて・・」
和佐 「・・・」
文夏 「初めてだから・・あの・・」
立ち上がる文夏。
文夏 「好きです・・だから・・」
隣のおばさま軍団が注目する。
和佐 「・・・」
文夏 「・・さよなら!」
伝票を持って、レジに向かう文夏。
レジで小銭を落とし、拾う。
後ろを通り過ぎる白いスネ。
〇 ファミレス 出入り口 その後
出入り口の扉を開け、出て来る文夏、腕組みして待つ和佐。
文夏 「あっ!・・」
和佐 「置いてけぼり・・」
文夏 「そう言うつもりじゃ・・」
和佐 「置いてけ堀は、地名でしょ、なのに置いてけ堀を食らう
って、食べれるの?食べ物?」
文夏 「・・・」
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